激動期、変革に挑戦 現場の強みは人材育成がカギ
2018-11-29


人材育成、ひとづくりはものづくりの前提であることが声高に語られている。地域の中小企業対象のシニア人材交流会でも人づくりへの協力が経営課題に挙がる。厳しいコストダウンで知られるトヨタであるが、意外に地味に取り組んでいる。その要になるトップが河合満副社長である。

 11/2/はナゴヤキャッスルホテルの講演会に出席して知見を高めた。拝聴後、改めてトヨタは人材にカネと時間を投じていると思った。人材にカネと時間を掛けられるかどうかが、中小企業から脱皮するカギである。
 否、大企業にならなくなくても良い、偉大なる中小企業であっても同じことである。

 トヨタは豊田章一郎氏が社長、経団連会長時代は役員がほとんど名古屋大学OBで占められていた。その数年後に熊本地検によるハイラックスサーフの重要保安部品の破損事件が起きた。さらに100万台規模のリコール問題も起きている。
 人材戦略に齟齬が生じているのだ。学閥は仲間内だけで固まる傾向は否めないだろう。
 三菱系は東大閥で知られる。三菱自動車、三菱飛行機、造船などメーカーに関しては弱体化を否定できない。
 名大がトップだった東海銀行は三和銀行に食われ、更に三菱銀行に食われた。
 松坂屋も他企業の傘下になった。三越も以前はオリエンタル中村だったが三越に食われた。丸栄は廃業した。ユニ―もサークルKも自立出来なかった。
 地元の大学卒中心では自己改革ができない。競争力が生れない。
 父親の正一郎社長の背中をからじっと見ていたのが現在の章男社長である。現在の役員の学歴構成は一大学3名から4名で、河合満氏はトヨタ技能者養成所出身で中卒である。人材戦略はいわばダイバシティ―になった。
 名古屋の大企業が他地域の企業の傘下になっているのは残念な現象である。人材育成でもトヨタに学ぶことは多いはず。

ソース:[URL]

 日本経済新聞社名古屋支社とテレビ愛知は28日、名古屋市内でシンポジウム「ものづくり・ひとづくり ナゴヤが生んだ名企業」を開いた。
 車の電動化や人工知能(AI)の進化などで企業を取り巻く環境が大きく変わるなか、変革に挑戦することの重要性や人材育成策などについて幅広く意見を交わした。(詳細を12月中に掲載予定の特集面に)

シンポジウムには約450人が参加した。

 基調講演でトヨタ自動車の河合満副社長は「なぜ手作業にこだわっているのかとよく聞かれるが、技能の進歩が止まったら技術の進歩も止まる」と生産現場で人が技術を磨くことの大切さを指摘。
 塗装などの工程で産業ロボットの精度を上げるうえでも、「上手な人のやり方を計測して、ロボットにまねさせて自動化するほうが効率がよい」と解説した。

 電気自動車(EV)など車の電動化や自動運転といった技術革新を背景に、車産業は100年に1度ともいわれる激変期を迎えている。河合氏は車のシャシーを製造していた担当者が燃料電池車(FCV)部品をつくったことを例に挙げて、「人を育てれば、どんなことにも対応できる。何が起きてもやり切る人を育てることが大事だ」と語った。
以下略

 講演の中で視覚的に分かりやすかったのは11/7のこの記事で明らかだ。いずれも日経新聞から抜粋

「トヨタ河合副社長「量に対応する中で見失っていた」
現場一筋55年、トヨタ河合副社長のこだわり(下)」

ロボットより腕がいい人育てる
 「全国の技能者が集まる溶接コンクールで一昨年、2位になった技能者がいます。彼に、その溶接技能をロボットに教えさせてみました。ところが、何週間もやっても教えきれません」


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