人望とイエスマン
2018-11-22


ブログ「株式日記と経済展望」から
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「ゴーン氏が不人気だとされる一つの理由は43%の株主であるルノー社に配当などを通じて日産がルノーを生かしているのではないか、という点であります。」

・・・・・・ブログ主の「私のコメント」の中で使われた。お説の通りですね。
 取締役がいながら、長期政権になるのは、抜擢されるのがトップの目に適ったからなのです。中々に意見具申はしにくい構造です。
 かつて、名古屋市の西尾市長が4選という期待を持たれたが、長くやると周りはイエスマンばかりになるといって固辞されたことを記憶している。3選でも12年、4選だと16年になる。20年はいかにも長い。まるで創業者のような存在になる。
 結局、ゴーンさんは人望がなかったことに尽きる。

山本七平『人望の研究』のアマゾンのコメントから
「 日本では「人望がない」ために,いかに有能でも前途が絶たれます。「人望」が絶対的な評価基準なのです。では,「人望」とはどういった定義で,涵養することが可能なのか。
 大半の人は明確な考えを持ち合わせておらず,それでいて相手の「人望」の有無は肌で理解でき,その結果,当人は訳がわからないうちに「人望」をなくして社会から確実に葬り去られてしまう,という状況です。
 本書は「人望」の定義,具体的な項目,その涵養方法について記述しています。
 平等社会でもリーダーは必要ですが。血縁や血統,階級,身分,出自は問題とされず,その選出基準は基本的に「人望」以外ありえないと山本氏は指摘します。
 その「人望」とは「高次の常識を実践している」ことです。
 教育の3原則は知育・体育,徳育だそうですが,知と体の大学はあっても,徳には授業すらありません。しかし,かつては『近思録』の九徳や『大学』の給驕iけっく)の道が常識として厳然と存在し,特に江戸時代は西洋の学問(知)が一般的には禁じられていたため徳育のみでした。「人望」をリーダーの選出基準とするという伝統は無意識に受け継がれているのに「人望」の定義や育成法が欠けてしまったことが現在の状況を生んでいます。
 「人望」を育てる九徳とは,
(1)寛大だがしまりがある,
(2)柔和だがことが処理できる,
(3)まじめだが丁寧でつっけんどんでない,
(4)事を治める能力があるが慎み深い,
(5)おとなしいが内が強い,
(6)正直・率直だが,温和,
(7)大まかだが,しっかりしている,
(8)剛健だが内も充実,
(9)剛勇だが義(ただ)しい,です。
 これらは相反する概念なので,自己抑制によって中庸に留めることが高次の常識であり,それを実践できている人がリーダーとして相応しいということになります。
 全体として,おおまかだが,筋道がしっかりしている,という印象を持った良書です。」引用以上
 ゴーンさんは最期は自己抑制を怠った。離婚再婚もしている。天狗になってしまったのです。

「(私のコメント)

 ゴーン会長が逮捕されたというのは、一体どういうことなのかさっぱりわかりませんでしたが、直接の容疑は給料をごまかしたということですが、ゴーン会長にしてみればお手盛りでも、いくらでももらえたはずだ。しかし半額で報告されてきた。半額は裏給与ということになるのでしょうか。

 しかし本筋は、給与のごまかしではなく私的な流用ということで背任容疑のようだ。20年間も会社のトップにいれば、会社はイエスマンばかりになり、なんでもできるようになってしまう。アメリカの大統領が8年までと規定されているように、長期の権力は腐敗を招きやすい。


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