世界の如何なる隅々の事も知らざる可らず
2012-08-31


東アジアにおいて、日本国固有の領土である尖閣諸島が中国人の上陸するところとなった。日本海においてもわが国の領土である竹島が韓国李明博大統領自ら上陸し、占有している。どの島も日本人が住んでいたこともあるし、国土地理院の地形図に竹島の名称が掲載されている。
[URL]

 最初はこんな小さな島の事で何を争うのか、と疑問に思ったものである。朝日新聞の若宮主筆に至っては竹島など韓国に譲ってしまったら・・・・と。書いて批判を浴びた。
[URL]

「例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。

 見返りに韓国はこの英断をたたえ、島を「友情島」と呼ぶ。周辺の漁業権を将来にわたって日本に認めることを約束、ほかの領土問題では日本を全面的に支持する。FTA交渉も一気にまとめ、日韓連携に弾みをつける――。

 島を放棄と言えば「国賊」批判が目に浮かぶが、いくら威勢がよくても戦争できるわけでなく、島を取り返せる見込みはない。もともと漁業のほかに価値が乏しい無人島だ。元住民が返還を悲願とする北方四島や、戦略価値が高い尖閣諸島とは違う。」

 しかし、たとえ豆粒のような小島であっても占領することの重要性を説いた先覚者がいたことを知った。以下。読めば、中国や韓国と相争ってでも占領する必要が分かる。戦前の日本に於いておや現代には領海、漁業権、エネルギーの埋蔵も伝えられ、重要性は増している。  

 志賀重昂全集第六巻(昭和3年3月25日発行)P274から。
「日露戦役開始の少し前、重要なる物件を英国より積み来たり、日本に帰航せんずと中途、露西亜軍艦の地中海に待伏せりと聞き、遠く南して此の阿弗利加の離島に逃れ来たりたる事実を云ふのである。かくて思へば、平常よりして世界の如何なる隅々のことをも知らざる可らざる事を悟るべきにあらずや。」

「〓(ここ)に又たMarcus又Weeks島は北緯二十四度十七分二秒、東経一百五十四度三分、東京湾外より一千十五浬(かいり)、萬頃(ばんけい)の太平洋面に僅かに三十三尺兀立する周囲一里八町の一小珊瑚島である。西暦一千八百六十年頃(萬延)、米国宣教師之を発見し、同六十四年(元治元年)、モーニングスター艦長ガレット大佐の来着したる以来、米、仏、英の船艦は交わる交わる来着した。日本人にも亦此の島を知り、且つ鳥毛を採取して居った。依って明治三十一年七月二十七日、東京府告示を以って同府管轄に編入の義を『官報』に公示した。同三十五年七月、米ジゥリア・エー・ウォーレンスは、永久占領の計画にて来着した。然し是より先正に四年、同島は早く既に東京府の管轄と告示せられてあって、依って米船は翌月上旬引揚げて去った。是にてかMarcus即ち南鳥島は名義上に於いても事実上に於いても日本国の領土となったのである。」
 [URL]
[URL]

「何故に絶海豆大の島嶼をば此の如く相争ふものなるや。是れ亦世界の勢が然らしめたるのである。中略。勢此の如くなるを以って、列強には絶海の中にある無人無水豆粒の如き小島と雖も、尚且つ競いて占領し、海洋開拓の足溜場即ちステーションとする計画である。独り海洋開拓のステーションとなるのみならず、海底電線の中継所となり、無線電信柱の建場となり、貯炭貯油所ともなるが故に、機を見る神の如き者は捨値の時に買占め置き、将来に奇利を博せん為め、絶海豆大の島をも相争うて占領するのである。」
[汎東亜事情]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット