2035年には人口の半分が独身者 超ソロ社会が到来する日本(週刊朝日1/19号)
2018-01-11


喫茶店で読んだ週刊朝日1/19号の中の記事に眼が止まった。
目次を並べると
1 フレイル(虚弱)に負けるな
2 血糖値の急上昇や脂質の吸収を抑制 大豆ファースト健康法
3 りんごと生姜で風邪知らず
4 帯津良一 貝原益軒 養生訓
5 2035年には人口の半分が独身者 超ソロ社会が到来する日本

 1から4はどれも健康に関する記事ばかり。5は16年後に超ソロ社会が到来する未来予測の記事。要するに生き残った団塊の世代の男女がみな85歳前後になる。

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 荒川和久氏はマーケティングの調査から未来社会を予測する。その時は人口の半分がソロになっているというのだ。昨年1/14に『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書) 』を出版。
 というが既に兆候はあって、ある医師が突然妻に先立たれて自分で家事一切をすることを出版した。生きていくためには当然のことで特段本を読まないと困ることでもない。
 そういえば上野千鶴子氏の『おひとり様老後』も70万部というベストセラーになり、文庫本になった。だれもが最後には1人になると予測する本の嚆矢ではなかったか。もう忘れられたが下重暁子「家族という病」(幻冬舎)も2ヶ月で35万部のヒット。人は孤独や孤立への不安から家族を持ちそこに逃げようとする。それが様々なトラブルを生む。民法の家族法は破綻法というごとくである。ここまで家族重視の思想は埋めよ増やせよの明治以後であろう。戦後も家族を奨励してきたのは家具や電化製品、住宅が売れるからである。経済の活性化の要であった。
 ところが荒川氏はマーケティングの観点からソロの経済力を調査してきた。
 5の記事を検索すると以下の記事がヒットした。中でも納得したのは「誰かが何かに挑戦したいっていうことに対する支援みたいなことが今すごく流行ってて。例えば面白いのが「私、ヒッチハイクで日本縦断したいのでお金ください。近所を通った人は泊めてください」というような案件があったり。リターンは何かっていうと、「私の毎日の旅の模様を実況放送します」とかだったりするわけです。「そんなのいらない」って思う人も多いと思うんですけど、でもそういうので、全国の見知らぬ人から結構な額の支援がされるんですよね。」
 そんな例は江戸時代にあった。愛知県豊橋市から白井(後の菅江)真澄が出た。30歳で両親の元を離れ、東北の旅に出た。旅の途中で薬草を採集して小児科医に買ってもらい露銀にした。また後に真澄遊覧記にまとめられるような旅の絵を描いて宿泊先に置いて行った。秋田の角館で死んだが生涯独身であった。
 荒川氏は「地域や職場、家族といった、かつては安全強固だった共同体は、残念ながら失われていきます。今後は、個人のネットワークの拡充によって、ひとりひとりが新しい関係性を自ら生み出すことが求められます。それは家族の絆のような強固なものである必要はありません。ゆるいつながりでいいから、たくさん用意できることが大事です。地縁や血縁ではなく、共感する考え方や共通の目的行動としてつながる。そうした「拡張家族的な関係性」が未来の新しいコミュニティを作り上げるのだと思いますね。」という。
 「誰もがいつ何時、ソロになるリスクはあります。奥さんだけとか職場だけとかという唯一依存は危険です。個人としてのネットワークの拡充をしておくことが大切なんです。

要は、それこそが「ソロで生きる力」です。ソロで生きる力とは、別に、誰とも関わらない、仙人みたいなサバイバル生活をする能力ということではありません。逆説的ですが、ソロで生きる力とは、むしろ、誰かとつながる力です。人は誰かとかかわり合いながら生きるものです。自立心とは、誰の力もいっさい頼らないことではなく、頼れる依存先を複数用意できることで生まれるもので、依存先がひとつしかないという状況の方こそ憂うべきです。」

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