レッドオーシャン
2017-02-25


PRESIDENT Onlineから
トヨタ、パナソニックが「住宅再編」を仕掛ける本当のワケ
「住宅業界に再編風が吹き込んでいる。トヨタ自動車グループの住宅事業会社、トヨタホームは1月、老舗住宅大手のミサワホームへの出資比率を引き上げ、子会社とした。これに続き、パナソニックは連結住宅事業子会社のパナホームを8月に完全子会社化する。
 国内住宅市場は大量の「空き家」問題が顕在化するなど長期的に先細りが避けられない。半面、大手10社によるシェアは1割程度に過ぎず、市場参加者が過剰な「レッドオーシャン」状態にある。相次ぐ再編は、縮む市場と淘汰が避けられない「冬の時代」の先取りといえそうだ。」以下略
という文脈の中で使われたレッドオーシャンなる語意は
 ポータルサイトビジネス ファレッジINGから
[URL]
「マーケティングでは、レッドオーシャンとブルーオーシャンという考え方があります。レッドオーシャンとは、競合がたくさんいて血みどろの戦いを繰り広げている分野を指します。例えば、転職市場は参入障壁が低いものの、顧客単価が高いため、一獲千金を狙って多くの会社が参入しています。他にも、英語市場や学習塾、美容室、歯科医など、競合の多い分野はたくさんあります。
 一方、自分独自のアイディアによって創出した「競合がおらず、値下げをしなくても勝手に商品が売れていくような分野」をブルーオーシャンといいます。ブルーオーシャンでビジネスをすれば、かなり楽をしながら事業展開をすることができます。
 ただ、実際のところレッドオーシャンで戦わなければいけない人の方が多いです。それでは、レッドオーシャンでビジネスをするときにどのように考えて実行すればいいのかについて確認していきます。」以下略

 文脈の中でトヨタの苦戦が目を引いた。住宅のような成熟市場ではクルマの大量生産システムの勝者でも勝てないのだな。

 トヨタは21世紀の寸前にハイブリッド車「プリウス」を引っ提げて、環境問題に対応する回答を出した。欧州メーカーがクリーンディーゼル開発に鎬を削っている最中にあえて後追いせずに独自の環境技術を提案した。
 トヨタ系のデンソーはクリーンディーゼルの基幹技術であるコモンレールの技術を持っていたにもかかわらず、ハイブリッド車に集中投資したのは、ニッチ市場ではなく、ライバル不在の分野を選択したということだ。
 初代プリウスは採算割れだったらしいが、石油高騰の追い風もあり、二代目以降はよく売れた。まさにブルーオーシャンだった。
 首脳は大衆車の位置づけでなく、レクサスのような高級車で売れば良かったとコメントしていた。その思いは先進的なデザインの4代目で実現させている。今後の主流はPHVになり、電気自動車に変遷してゆく。するとまたぞろレッドオーシャンになるのだろうか。

 さてわが士業はいかがか。これはもうレッドオーシャンと言わざるを得ない。かつて、海外旅行ブームのはしりではパスポートの取得代行でさえ、年商1500万円という行政書士がいたらしい。弁護士も司法書士も手掛けないブルーオーシャンだった。今は皆自分で取りに行くので仕事にならなくなった。サラ金訴訟もブルーオーシャンだっただろう。
 めまぐるしく変わる世の中で何が売りか、誰もやらない、誰も気が付かない、だったら止めるのではなくやってみる。こんな意識が必要だ。
 かつてアフリカの裸で生活する黒人女性に下着を売ることを思いついた欧州の下着メーカーがあった。アメリカの靴のセールスマンはアフリカの裸足で走り回る土人に靴を売ることを思いついた。
 何があるのか、人にカネを払って教えてもらうものではない。自分の頭で考えること。要するに知恵の時代。
[当世語意集]

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