成年後見人、着服18億円
2011-10-21


表題の大きな見出しに眼を奪われた。朝日新聞朝刊社会33面の記事のことだ。毎日毎日カネにからむ不正を報道する記事が表面化する。
 昨日は振り込め詐欺事件があった。母が偽の息子の電話にだまされて多額のカネを振り込んでしまった。電話帳を見て、女性名で記載されている所を狙うそうだ。高齢の女性は記載しないほうがいい。

 本題の成年後見は実の親族間の事故だから心情的には複雑である。親の財産を例えば息子が生活費に使うことを「着服」といって良いものかどうか。
 成年後見制度を利用すると親族であっても法律的には成年後見人という地位を得て、親子の馴れ合い的な関係は許されないのである。つまり、例えば息子であっても法律上は別人になるということなのだ。
 この関係が弁護士が成年後見人になって見ればすぐ理解される。被成年後見人の財産を使い込めば「着服」であり、横領罪で刑事責任を問われる。実際にそんな事件があった。
 士業が成年後見人になると家族から被成年後見人の名義の財産と印鑑を預り、分別して厳重に保管し、入出金の記録などして財産管理する。それを家裁に報告もする。親族からは憎まれるし、監視の目もある。家族からいちゃもんをつけられることもあるので損害賠償責任保険にも加入する。会費、保険料も自己負担だから大変な仕事である。
 親族による財産侵害は相当ある、と研修で学習したが具体的な金額はこの記事が初見だ。こうした社会的背景があるから士業による成年後見が後押しされ、行政書士も弁護士、司法書士に遅れること10年後に参入することになった。進んでやれる仕事ではないが社会貢献ということになる。
 但し、法律的には一般市民と同じで行政書士の資格でやれる仕事はない。裁判所へ提出する書類作成は弁護士と司法書士の独占業務だからだ。
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